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HyperLib 1997 Winter - Disc 1
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Msh について
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Text File
|
1996-11-14
|
10KB
|
358 lines
---------------------------
Msh について 96/11/14 とめ
---------------------------
1. Mshとは
unix の csh 風のコマンドインタプリタです。また、unix の基本的なコマンド
も内蔵しています。
2. 解説
2.1 動作環境
本体 68020以上のCPU, PowerPCエミュレーションで動作
OS 漢字Talk7以上 (6.0.7 でも動くかもしれない)
フォント 次のいずれかのフォントが必要(最初に見つかったものを使用)
等幅ゴシック
Osaka−等幅
中ゴシックBBB−等幅
等幅明朝
リュウミンライト−KL−等幅
Monaco
2.2 オンラインマニュアル
"Msh" 起動後以下の操作で表示できます
(1) "help" 全コマンドの簡易ドキュメント
(2) "man msh" 詳細マニュアル
2.3 特徴
unixのcsh, DOSのシェル機能と比較して次の特徴があります。
1) 同様に実現されている機能
リダイレクション, パイプ csh, DOS
コマンドヒストリ csh, KI-Shell
コマンド別名定義(alias) csh, KI-Shell
コマンドライン編集機能 KI-Shell と似てカーソルキー
ファイル名展開 csh
(ディレクトリ部に * 等も使用可)
環境変数 csh 風 "$<変数名>" で常に引用可
2) 実現されていない機能
シェルスクリプト, バッチの実行 シーケンシャルな実行のみ
外部コマンドの実行 "process open" で最低限実現
※ KI-Shell はDOS上の同種のソフト(作者: 石野恵一郎 氏)
2.4 メニュー
File
Close ウインドウのクローズ & 終了
Quit 終了
Edit
Paste クリップボードより文字列 Paste
Preferences 環境設定
Swap ESC, `/~ key キーコードの置き換え
Text file creator Mshのリダイレクトで作るテキスト
ファイルのクリエータ
Disk Tool
やられたー "小アイコン" の表示がおかしくなる問題の解消
効能: Finderでフォルダーを "小アイコン" にして使用
しているときに、開いてみたら "アイコン" 状態
となってい位置が崩れた場合に有効
操作: 1) Finder で表示モードを "小アイコン" に
2) Finder で表示モードを "アイコン" に
3) Finder でそのフォルダーを Msh にドロップ
4) Msh 画面に "やられたー完了" と表示される
5) Finder の再起動もしくはリセット
2.5 コマンド概要
1) ディレクトリ/ファイル操作
cd/chdir カレントディレクトリの移動
pwd カレントディレクトリの表示
ls ディレクトリ内容の表示
cp ファイルのコピー
mv ファイルの移動
rm ファイル削除
df ディスクの空き容量表示
du ディスク使用量の表示
mkdir/rmdir ディレクトリの作成/削除
2) テキストファイル処理
cat ファイルの連結と出力
head ファイルの先頭を出力
tail ファイルの末尾を出力
sort ファイルの整列,マージ
diff GNU-diff(テキストファイルの内容比較)
grep GNU-grep(文字列検索)
wc テキストファイルの語数をカウント
3) 有用ツール
look 簡易 日/英辞書
man オンラインマニュアル
manmnt マニュアルのメンテナンス
file ファイルタイプの報告
vi vi エディターの起動 (STevie for Mac)
4) csh 風機能
alias/unalias コマンド別名の定義/削除
echo エコー
history ヒストリーの出力
pushd/popd/dirs ディレクトリの push/pop/表示
set/unset 環境変数の設定/消去
source コマンドをファイルから読み込み実行
exit exit program
5) 小物
clear 端末画面のクリア
date 日時の出力
stty Mac モニターの解像度等の表示
6) その他
den 簡易電卓
help ヘルプの出力
ps プロセスステータスの表示
7) Macオリジナル
finder Finder の各種制御
process プロセスの各種制御
<外部コマンド> [-p] [file...]
アプリケーション/コントロールパネル/DAの実行
-p プリントを指示(アプリケーション時のみ有効)
-n ファイルがない場合にファイルを新規作成
3. man(オンラインマニュアル)コマンド
Msh には unix と同じようなオンラインマニュアルを表示する man コマンド
が内蔵され、そのためのデータも同封されています。
詳細は Mshで "man man" を実行してください。(リダイレクトでファイルにも
落とせます)
1) 簡易説明
・起動 man <タイトル> タイトルにコマンド名等を指定
・キー スペース 1ページ前進
b 1ページ後退(バックスクロール)
q 終了
x 複数タイトルマッチ時次のタイトルに
/, ? 文字列検索
n, N 検索の再実行
・カテゴリー一覧
"intro" というタイトル名で全てのマニュアルの概要を付け
ています
例: man 1 intro ← Msh 内蔵コマンドタイトル一覧
man -k intro ← マニュアル種別の表示
2) 特徴
・タイトル指定で正規表現指定が可能
例: man "a.*" a で始めるタイトルを全て表示
man ".*cp.*" cp を含む全タイトル表示
・検索機能の搭載(/,?,n,N)
・キー操作が unix の vi ライクである
・キーワード検索によるタイトル検索機能搭載
例: man -k 表示 "表示" を含むタイトル一覧の表示
3) 添付マニュアル
man1m.hlp Mac-Shell コマンド
man2a.help Toolbox: サウンド(音)関連
man2c.help Toolbox: QuickDrawカラー関連
man2d.help Toolbox: デバイス
man2e.help Toolbox: イベント関連
man2f.help Toolbox: ファイル関連
man2g.help Toolbox: GUI
man2m.help Toolbox: Memory/Resource
man2n.help Toolbox: 新機能
man2o.help Toolbox: その他
man2p.help Toolbox: プリント
man2q.help Toolbox: QuickDraw
man2s.help Toolbox: Startup/Shutdown/Power
man2t.help Toolbox: テキスト関連
man7.hlp 色々な情報
4. ファイルの指定
基本的には unix の形式と同じです。
1) ドライブ
DOS と同じようなドライブの考え方があります。ドライブ名は英
字の A〜Z 1文字です。ドライブは基本的にはマウントされた順
番にふられます。df(1m) コマンドにより現在マウントされている
ボリュームとそのドライブ名がわかります。
2) unix 形式
フルパス <ドライブ>:[/ディレクトリ...]/ファイル
ディレクトリの区切り /
カレントディレクトリ .
親ディレクトリ ..
3) Mac 形式での指定
フルパス <ボリューム名>:[ディレクトリ:...]最終パス
カレント上のファイル ファイル名
カレント上のディレクトリ :<ディレクトリ>
親ディレクトリ ::最終パス
この形式の指定をした場合には、ファイル展開はされません。
詳細は、Inside Macintosh を見てください。
注意: 次のようなものがあると Msh の解釈及び処理がおかしくなること
があります。
1. ".", ".." というファイル
2. A〜Z 一文字のボリューム
3. "/" 文字を含むボリューム,ディレクトリ,ファイル
5. Drag & Drop
Msh のウインドウへの Drag & Drop 処理は以下の種類があります
<アイテム> <モディファイ> <動作>
-----------------------+---------------+------------------------------
ファイル/フォルダー なし コマンド行にファイル名入力
" command ディレクトリ移動(cd)
フォルダー shift "やられたー" (2.4 参照)
テキスト なし コマンド行に入力
" ctrl man コマンド実行
6. DOS ユーザーに向けて
unix をほとんど使用したことがない、DOS ユーザーのために間違えやすい点や
テクニックを紹介します。
1) パスの指定
1. ディレクトリの区切り記号 ¥ ではなく /
2. 拡張子に特別な意味は持っていません
全てのファイルを指定 *.* ではなく *
3. ディレクトリのパス展開もできる 例: */*.c
2) コマンド名をDOS風に
_mshrc ファイルに次のような別名定義を入れておく
alias dir ls
alias del rm
alias type cat
alias fc diff
3) その他
1. Msh は特殊記号の多くに意味を持っています。コマンドに特殊記号をそ
のまま渡したい場合には ' または " でくくって下さい。
2. $path 変数に "."(カレント) を指定しなかった場合、DOS とは異なり
カレントディレクトリは検索しません
7. バグ情報
1) ファイル名
ファイル名に "/" があるものは指定できない
その他の特殊記号も場合によりおかしな動作をする場合あり
2) 画面表示
ウインドウのサイズ変更で画面が消える(再表示しない)
3) フォルダーのカスタムアイコン
"ls -a" を行った場合にそのフォルダーにカスタムアイコンがある場合表示
が崩れたように見える場合があります。理由は、"Icon<0x0d>" といる特殊文
字を含むファイルが存在するためです。
8. Tips 等
1) プリント
Msh にはプリント機能はありませんが以下のように alias でエディタ等を割
り当てておけば簡単に印刷が行えます。
% alias pr process print YoED
% pr *.c
2) CodeWarrior の Universal Header をgrep(テキスト検索)
% alias grepu grep ¥!¥* a:/cw-9/macos¥¥ support/headers/universal¥*/¥*.h
% grepu TrackControl
3) vi
Nifty FMACPRO Lib-2 "Applications" に vi が登録されています
9. 現状と今後
1) unix との互換性
csh のコマンド解析/展開については 100% 互換をめざして作成しました。一
部のエラー表示等を除きオリジナルの癖も含めほぼ互換がとれているはずです。
各コマンドについては主に BSD の仕様を元に作成しています。
2) 実現されてない機能
シェルスクリプトの実行
スクリプト用コマンド(if, for, switch等)
エイリアスファイルの処理
ジョブ制御 * 実現不可能
式の演算(@a = 1 + 2 等)
3) アップデート予定(予定順)
コマンドの追加 chmod, more, cut
シェルスクリプト(バッチファイル)の実行
ウインドウ内テキストのCopy
ウインドウスクロール
10. 作者よりのお願い
1) マニュアル
ANSI-C 関数/Toolbox のフリーのドキュメント及び打ち込んでくれる人を探
しています。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※ 私は C の標準関数を Turbo-C ヘルプから抜き出したものを使っていますが
著作権の問題があり配布できません
※ THINK Reference は英語だしインターフェイスが気に入らないため使ってい
ません
2) ctags コマンド
vi エディタのための ctags コマンドの頭の良いもののソースを探しています。
心当たりがある方は一報を願います。(STevie 付属のものは使いものにならない
ため)
11. バージョンアップ履歴
1.0.0 ・Edit-Preferences 機能追加
・vi コマンドでファイルが存在しない場合に新規作成
・アプリケーション実行時に -n オプションでファイルがない場合にテキス
トファイルを新規作成
・diff で大きなファイルがエラーとなるもののバグフィックス
0.5.1 ・コマンドライン展開処理を大幅に機能アップし csh とほぼ同じにした
ヒストリ ^..^.. による置き換え
alias !* サポート
`<コマンド>` コマンド結果のコマンドラインへの入力
・アプリケーション/コントロールパネル/DA の起動機能追加
(AppleScript が起動できるため自動実行の処理範囲が拡大した)
・Drag&Drop 処理追加
・Edit-Paste のサポート
・コマンドライン編集での↑↓←→キーサポート
・Finder コマンドの新設
0.5.0 ・シェル変数参照時のバグ修正
・大幅なコマンド追加
cp,mv,rm,mkdir,rmdir,file,sort,tail
・diff を GNU-diff に変更
0.4.1 初期リリース
12. サポート等
アップロード先 Nifty FMACPRO "LIB-2 Applications"
E-Mail GBA00703@niftyserve.or.jp
acty@orange.or.jp
↑ 会社用のため "小山 富夫宛" をタイトルに付加願います
とめ(小山 富夫)@アクティシステム
謝辞
斎藤靖 氏 yasushi@is.s.u-tokyo.ac.jp, PBA02641@niftyserve.or.jp
新出尚之 氏 nide@ics.nara-wu.ac.jp